やなりん魂・その1「じねんと自然としぜん」

2023.03.23

あなたは「自然」をなんと読むでしょうか?
きっと「しぜん」と読むのでは?
“やなりん”は、「じねん」と読む、呼ぶ。
正確には、「じねん」とも「しぜん」とも読みます。

「じねん」とは、
自然と人間は一体であり、
人間は自然の一部としてともに生きるという、
日本人古来の生き方、暮らし方を表した言葉です。

「自然」は、元々「じねん」でしたが、
明治時代に「nature」の訳として「自然」が当てられた時から、
自然環境を表す「しぜん」になりました。
そして、近代化という西洋化が急速に進む中で自然と人の距離は離れ、
「じねん」の生き方、伝統、知恵は忘れられていきました。

「しぜん」には、自然環境の「境」という言葉が象徴するように
自然界と人間界を別の世界として境を設けて区別し、
自然は人が手を加えコントロールする相手という考え方があります。
あなたにも、そういう意識が多分あるのではないでしょうか?

でも、自然が人間の都合通りにはいかないことを、
数多の自然災害を乗り越えてきた長い歴史を持つ
私たち日本人は本能的に知っています。

縄文の時代より日本人は、
そんな自然に抗うことなく、自然の厳しさを受け入れ、
自然の恵みを生かす、「じねん」的な生き方で
自分たちも自然として生きてきました。

“やなりん”は、こう思います。
きっと、その生き方は、
木の生き様から学んだのだと。

芽吹いた場所から動くことなく、
どんなに環境が厳しくともそこで耐え忍び、
自分の周りの変化をすべて受け入れ、
ただそこに何十年、何百年とじっと生き続ける
木の受け身の美しさを、
森の国の住人である日本人は、
ずっと見続け学んできました。

「じねん」は、別の言い方をすれば
あるがままに自分らしく生きるということであり、
杣人として山、木と日々向き合う “やなりん”は、
この「じねん」が今こそ必要な生き方だと感じています。

松本平の山へ来てみませんか?
木と真正面から向き合ってみませんか?
あなたの中に眠っていた「じねん」のDNAが
呼び覚まされるでしょう。
山には、木には、その力があります。

その他の記事