離れたところから森を見ていると、
どれも同じ様に見える木々も、
手に触れるくらいに近づけば、
その一本一本は、形も高さもすべて別々で、同じ木は一本も無いことが分かります。
その太さ、曲がり、葉、枝ぶりといった
見た目の違いだけではなく、
木は中身も一本一本に個性があり、
年輪も節も同じものはありません。
その形一つひとつが、何十年間、
木が与えられた環境を生き抜いてきた証です。
木が生きてきた形、
その木にしかない美しさを、
そのまま生かし、
ありのままに届けるために、
やなりんの木こりたちは、
木を伐るチェーンソーを手斧に持ち替え、
自分たちが伐った木を、
自分たちの手で、
木工作品にしていきます。
伐る場所、伐る角度は、その木任せ。
伐る回数を極力減らし、できるだけ手は加えず、
木の生きてきた形が一番感じられる見え方を
木と会話しながら見つけ出していく。
木を人に合わせるのではなく、
木に人が合わせる、木が主役のアートです。
やなりんの木こりたちが、
手作りで作る木工クラフト製品は、
同じものが二つとないすべて一点物。
その美しさは、木が生きてきた形の輝きです。
どんなに小さな作品にも、木の命が確かに息づいています。