みなさん、木の家に住みたくないですか?
今日は先週見学させていただいた、建築中のとあるお家の話をさせていただきます。
この家ただのお家ではございません。
さてさてどんな家なのか、班長大瀧率いる山班のメンバーによるレポートにてお届けいたします。
それではどうぞ!
『カラマツの家』
本日は私たち柳沢林業もお世話になっている林友ハウス工業さんにお誘いいただき、現場の者3名で地元産カラマツを使った住宅の構造見学会へと出かけて来ました。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、林友ハウス工業さんも、今回見せていただく家の施主であられる1級建築士の宮坂さんも、私たちが関わっている“ソマミチ”というプロジェクトに参加されています。
この家に使われているカラマツ材の7割以上は、私たち柳沢林業林産班(通称山班)がすぐそばの山で伐り出してきたものを使って頂いているとの事。
そのご縁で今回お声をかけていただいた訳です。
さて、私たちの伐り出したカラマツはどのように使われているのでしょうか! ワクワク。。。
皆さんお気付きでしょうか、この家なんと!構造材にカラマツが使われているのです!
この新しさ、材木や建築関係の方ならおわかりいただけますでしょうか!!
林友さん、宮坂さんによると、
これまでカラマツは曲がる、ねじれる、ヤニが出るなどの理由で建築材として嫌がられていたけれど
・人工乾燥技術の向上により、ねじれが少なくなったり脱脂乾燥できるようになったりした。
・50年~60年生の太いカラマツが増えて、ねじれの大きな芯近くを外した“芯去り材”をとれるようになった。(しかも芯持ち材に比べておよそ1、5倍の強度らしい!!)
などの理由により、利用できる範囲が広がっている様子です。
ちなみにこの家は私たちの伐り出したカラマツ以外にも長野県東信地方の長和町のカラマツ、安曇野市産のアカマツも使われているそう。
せっかく昔の人が植えてくれた木だから、もっと流通経路を増やして、地元の山に活気が戻ればよいですね。
宮坂さんと
あの雲の向こうには北アルプスが...晴れていれば2階から槍ヶ岳、常念岳がきれいに見えるらしい。
今回は棟上げの段階で中の構造材の様子を見せていただきましたが、カラマツ特有の赤みがとてもきれいに出ていました。完成しても一部は構造材が見える状態に残しておくとのこと。
県産材を使えば補助金も下りるらしいので皆様いかがでしょうか?
自分たちの伐った木が、実際に家に使われているところまで見ることはなかなかできないので、貴重な経験をさせていただきました。
林友さん、宮坂さん、本当にどうもありがとうございました。
次は完成後に見てみたいです!
また、よろしくお願いします!!
以上、山班による『カラマツの家構造見学会』のレポートをお届けしました。
「カラマツの構造材?ふーん……で、何がすごいの?」と思われる方もたくさんいらっしゃると思います。
確かに他にも構造材に使える木はありますし、最近の家で考えると、壁をはればほとんど見えなくなってしまう構造材にはあまりこだわりのない方もいらっしゃるでしょう。
でも木こり目線からしますと、伐った木がその後どんな使い方ができるかというのはとても重要な事なのです。
かつてカラマツは、加工が難しいとういう特徴から用途が限られていました。
更にそれさえも時代と共に需要が減っていきました。
需要がないということは伐ってもお金にならないということです。
お金にならないということは、人が山に入らないということです。
必要とされなければ、私たち木こりは木は伐れません。あたりまえですが。
私たちは生業として木を伐りますが、それだけならただの殺生ですね。
使ってもらえるか否かがどれだけ大事か、その為にどんな使い方ができるかがどれだけ重要か、折に触れ感じます。
さて、そんな訳でカラマツの材としてのセールスポイントです!
1・水に強い!
2・強度がある!
3・赤色が美しい!!
3について補足をいたしますと、カラマツ材はその他針葉樹とくらべて赤みがつよいです。
木目もなんというか主観的ですが、少しワイルドなイメージ。
カラマツは今回ご紹介の構造材の他に外壁やフローリングもあるのですが、以前築8年ほどの家に敷かれたカラマツフローリングを見たことがあります。
その色の美しいこと!!!
カラマツはヤニが多いからか、経年変化で艶のある飴色に変化して行きます。
そして飴色から濃茶へ。
その家を建てた工務店の方も、「こんな風にキレイに経年変化するフローリングは他にない」とおっしゃっていました。
新築もしくはリフォームをお考えの皆様。
『カラマツ材』
是非ご一考下さい!