5/8(日)に戸隠神社の中社でスギのご神木の樹勢回復を図る施工をいたしました。
施工は樹勢回復を図るとともに、樹木医の研修会も兼ねていました。
スギの樹勢はかなり衰退していました。
衰退の一番の原因は、観光客が木に触るときの踏圧です。スギは衰退し癌種病にかかっていました。葉量が少なく、下に立つと枝葉の間から空が見えました。
30人ほどの樹木医で手分けして根を一本一本手作業で掘り出します。踏圧で傷んでいる根や腐っている根を切除して、切口に癒合剤を塗ります。
その後、改良土壌で覆土し、スギの共生菌根菌であるAM菌を散布してもう一度、覆土潅水して終了しました。
今回作業させて頂いたスギは、推定樹齢800年、戸隠神社中社と同じぐらいの歴史を持つスギだそうです。立派なスギだからこそ、人が観光に訪れるのだと思います。しかし、観光に訪れる方が衰退の原因になっていました。
今回、樹勢回復の施工後に立ち入り禁止の区域を拡大するとともに、訪れた方が触れるような場所を設けるそうです。
人と自然の間のことを取り持つのも、樹木医の仕事だと認識を新たにした研修会でした。
わかばやし